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ラファエル・ローゼンダール

STAIRS

Period
2024.1.25.Thu 3.2.Sat
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Location
中目黒
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私の1日はドローイングを描くことからスタートします。毎日、言葉やイメージを思い浮かべずに、頭の中を空っぽにして「こうしよう」という思惑を捨てて線を描きます。その代わり、私の手に全てを委ねるのです。ドローイングが何枚にもなるとコンピューターに向かい、スケッチブックを見て、今度はスクリーン上でどの線が構図を形作るかを決めます。
日々、湧き出るアイディアに取り組んでいますが、どこに辿り着くか分からないものがほとんどです。やがてさまざまな機会が巡ってきた時、何かを問われる前にアイディアが練らていることが私にとって重要なのです。まるでパズルのラストピースのように、その問いに直面した時にこれまで自分が温めてきたものがピッタリと一致していくのです。
ラファエル・ローゼンダール (2023年、faro中目黒に寄せて)

2022年末、個展の為に来日していたラファエル・ローゼンダール氏は、建設中のfaro中目黒を訪れました。建物の中心に設えられた階段室の吹抜けを見上げ、地下から屋上まで巡ると、ローゼンダール氏は空間に呼応するようにゆっくり頷きました。その数週間後、いくつかのプランがニューヨークから届きます。

そして2023年春、シェア・オフィス「faro中目黒」のシンボルとなる作品《Stairs》が完成しました。階段を想起させるスパイラルを描くリズミカルなグリッド、明るいカラーパレットと天窓からの陽光を反映させる余白。ローゼンダール氏の作品らしい変化する規則と親しみやすさが、空間に生命を与えました。

コミッション作品の完成を記念して、現実と仮想の領域を軽やかに扱い、デジタルの可能性と物理的な技術の双方の魅力が引き出された、2009 ~ 2023年制作の代表的なシリーズ作品、今回の展示の為に特別に編集された映像作品を展示致します。

cooperation with Takuro Someya Contemporary Art
commission work supported by Benjamin Moore Japan

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ラファエル・ローゼンダール

1980年オランダ生まれ/ N.Y.在住。

2000年からウェブ作品を発表する、インターネット・アートの先駆的で代表的な存在。
ウェブ作品と平行して、デジタルで描いたイメージをタペストリーやレンチキュラーといった素材を用いて物質にする作品も制作。2023年よりペインティング作品の制作をスタートさせた。
思惑を排除し身体の自動的な動きに委ねられたドローイングを日々描き、そのドローイングをデジタルへ変換、そしてデジタルイメージから身体性を取込む物理的な作品へ展開、というようにデジタルとフィジカルの双方の領域に軽やかにアダプトし、相互による作用と可能性をアート作品を通じて提起する。

ヴェネツィア・ビエンナーレ(2011年)をはじめとする世界的な国際展への出品、ニューヨーク、タイムズ・スクエアの電光掲示板を使ったインスタレーション(2015年)で注目を集める。
近年の主な展覧会にホイットニー美術館(ニューヨーク)、ポンピドゥ・センター(パリ)、ドルトレヒト美術館(ドルトレヒト)、クンストハル美術館(ロッテルダム)、ステデリック・ミュージアム(アムステルダム)、アーマンド・ハマー美術館(ロサンゼルス)など。
日本との関わりも深く、2009年にAITレジデンシープログラム参加を皮切りに、カルバン・クラインとのコラボレーションイベント(2012年)、「セカイがハンテンし、テイク」(川崎市市民ミュージアム、2013年)、茨城県北芸術祭(2016年)、個展「GENEROSITY 寛容さの美学」(十和田市現代美術館、2018年)、「モダン・タイムス・イン・パリ 1925 ― 機械時代のアートとデザイン」(ポーラ美術館、2023-24年)など展示多数。
(faro WORKPLACE筆)

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  • Works
  • Work Place

Works

  • Stairs

  • HOME ALONE

  • Rafae Rosendaal "Into Time 22 06 04"

  • Abstract Browsing 17 10 01 (Wordpress)

  • Extra Nervous 20 07 03

  • Rafael Rosendaal "Into Time 17 09 C"

  • Rafeel Rosendaal "Shadow Object 16 07 03"

  • Email

  • NFT / traffic

Stairs

私の1日はドローイングを描くことからスタートします。毎日、言葉やイメージを思い浮かべずに、頭の中を空っぽにして「こうしよう」という思惑を捨てて線を描きます。その代わり、私の手に全てを委ねるのです。ドローイングが何枚にもなるとコンピューターに向かい、スケッチブックを見て、今度はスクリーン上でどの線が構図を形作るかを決めます。
日々、湧き出るアイディアに取り組んでいますが、どこに辿り着くか分からないものがほとんどです。やがてさまざまな機会が巡ってきた時、何かを問われる前にアイディアが練らていることが私にとって重要なのです。まるでパズルのラストピースのように、その問いに直面した時にこれまで自分が温めてきたものがピッタリと一致していくのです。

ラファエル・ローゼンダール

<br/>

commissioned by faro Nakameguro
cooperated by Takuro Someya Contemporary Art
Supported by Benjamin Moore Japan

Credit
photo by Shu Nakagawa
Year
2023
Material
digital drawing / wall painting
Size
variable

HOME ALONE

Credit
Publisher : Three Star Books
Year
2020
Material
Book pages, ink on paper
Size
h30.5×w44cm/1page

Rafae Rosendaal "Into Time 22 06 04"

ラファエル・ローゼンタールのレンチキュラー作品は、ウエブサイトの抽象化からイメージがつくられています。 支持体となるレンチキュラーはそもそも工業用素材であり、またその仕組がディスプレイに近く、モニターやプロジェクターに近い表面構造をもつ素材でもあります。多くのメディアを用いる彼の作品の中でも、レンチキュラーの作品シリーズは特に、特有の色彩や明暗のコントラスト、様々なパターン、動きとインタラクションがその基盤面へと定着した、絵画的作品と言えます。

デジタル表現と物理的な表現の中間にあるような素材の特徴を生かした作品は、技術と視覚芸術が密接に関わってきた文化的歴史とも関わっていることを示唆しています。 ネットアートの先駆者であるローゼンダールは、インターネットの黎明期からそれを表現手段のひとつとして用い、常に未来的で不確定、デジタルでありながらユーモアと余白がある表現の作品を制作してきました。それは、美術の歴史の変遷にも関わる仕事といえるでしょう。

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Rafael Rosendaal  ラファエル・ローゼンダール website

 

1980年オランダ生まれ/ N.Y.在住。

2000年からウェブ作品を発表する、インターネット・アートの先駆的で代表的な存在。
ウェブ作品と平行して、デジタルで描いたイメージをタペストリーやレンチキュラーといった素材を用いて物質にする作品も制作。2023年よりペインティング作品の制作をスタートさせた。
思惑を排除し身体の自動的な動きに委ねられたドローイングを日々描き、そのドローイングをデジタルへ変換、そしてデジタルイメージから身体性を取込む物理的な作品へ展開、というようにデジタルとフィジカルの双方の領域に軽やかにアダプトし、相互による作用と可能性をアート作品を通じて提起する。

ヴェネツィア・ビエンナーレ(2011年)をはじめとする世界的な国際展への出品、ニューヨーク、タイムズ・スクエアの電光掲示板を使ったインスタレーション(2015年)で注目を集める。
近年の主な展覧会にホイットニー美術館(ニューヨーク)、ポンピドゥ・センター(パリ)、ドルトレヒト美術館(ドルトレヒト)、クンストハル美術館(ロッテルダム)、ステデリック・ミュージアム(アムステルダム)、アーマンド・ハマー美術館(ロサンゼルス)など。
日本との関わりも深く、2009年にAITレジデンシープログラム参加を皮切りに、カルバン・クラインとのコラボレーションイベント(2012年)、「セカイがハンテンし、テイク」(川崎市市民ミュージアム、2013年)、茨城県北芸術祭(2016年)、個展「GENEROSITY 寛容さの美学」(十和田市現代美術館、2018年)、「モダン・タイムス・イン・パリ 1925 ― 機械時代のアートとデザイン」(ポーラ美術館、2023-24年)など展示多数。
(faro WORKPLACE筆)

Year
2022
Material
lenticular painting
Size
h163×w123cm

Abstract Browsing 17 10 01 (Wordpress)

『Abstract Browsing tapestries』は、ウェブページの画面構成を抽象化した絵画作品で、2014年にローゼンダールが開発したプログラム作品『abstract browsing .net』がベースになっています。このプログラム作品は、ウェブページ上にある情報(PCのブラウザ上の画像、配置、テキスト)をすべて明るい色の幾何学的な配置に反転するGoogle Chromeのプラグインとして公開されています。彼は、私たちにもよく知られた数多くのサービスのサイト上で、このプログラムを走らせサンプルイメージを日々記録しており、その数は1000を超えているそうです。その中から私たちが絵として違和感を覚えるものをあえて選び、織りとして出力しタブローとします。このプログラム作品の制作背景に、近年のローゼンダールの考え方がよくあらわれています。それはインターネット上には、機械(機械的な仕組み)がエフィシェンシー(efficiency)を追求することで生み出した抽象がすでに立ち上がっており、人がエステティック(aesthetic)において求めてきた抽象との新しい関係を、『abstract browsing .net』によって光をあてようというところにあります。また、織り機とコンピューターの起源へ遡り、デジタル化の流れを縦糸と横糸の現実の交差として通時的に示すことで、コンピューターアートによって生まれたもののすべてがスクリーン上に映し出されるわけではないことも物語っています。
(個展 ”Convenient” 2017 TSCAより)

Year
2017
Material
tapestry
Size
h140×w102cm

Extra Nervous 20 07 03

「Extra Nervous」は、着色されたプレキシガラス(アクリル)をコンピューターでレーザーカットして描いた絵画作品です。鏡面処理が施されたこのプレキシガラスは、正面に立つと鑑賞者自身の姿が映り込みます。
「Extra Nervous」というタイトルにあるように新型コロナウイルス感染拡大下の極度に緊張した日常のなかで、多くの人が屋内を、あるいは屋内から屋外を改めて見つめ直したであろう光景と重なります。
(個展”Calm”2021 TSCA より)

Year
2020
Material
plexiglass in wooden frame
Size
h29.4×w42.3cm

Rafael Rosendaal "Into Time 17 09 C"

ラファエル・ローゼンタールのレンチキュラー作品は、ウエブサイトの抽象化からイメージがつくられています。 支持体となるレンチキュラーはそもそも工業用素材であり、またその仕組がディスプレイに近く、モニターやプロジェクターに近い表面構造をもつ素材でもあります。多くのメディアを用いる彼の作品の中でも、レンチキュラーの作品シリーズは特に、特有の色彩や明暗のコントラスト、様々なパターン、動きとインタラクションがその基盤面へと定着した、絵画的作品と言えます。

デジタル表現と物理的な表現の中間にあるような素材の特徴を生かした作品は、技術と視覚芸術が密接に関わってきた文化的歴史とも関わっていることを示唆しています。 ネットアートの先駆者であるローゼンダールは、インターネットの黎明期からそれを表現手段のひとつとして用い、常に未来的で不確定、デジタルでありながらユーモアと余白がある表現の作品を制作してきました。それは、美術の歴史の変遷にも関わる仕事といえるでしょう。

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Rafael Rosendaal  ラファエル・ローゼンダール website

1980年オランダ生まれ/ N.Y.在住。

2000年からウェブ作品を発表する、インターネット・アートの先駆的で代表的な存在。
ウェブ作品と平行して、デジタルで描いたイメージをタペストリーやレンチキュラーといった素材を用いて物質にする作品も制作。2023年よりペインティング作品の制作をスタートさせた。
思惑を排除し身体の自動的な動きに委ねられたドローイングを日々描き、そのドローイングをデジタルへ変換、そしてデジタルイメージから身体性を取込む物理的な作品へ展開、というようにデジタルとフィジカルの双方の領域に軽やかにアダプトし、相互による作用と可能性をアート作品を通じて提起する。

ヴェネツィア・ビエンナーレ(2011年)をはじめとする世界的な国際展への出品、ニューヨーク、タイムズ・スクエアの電光掲示板を使ったインスタレーション(2015年)で注目を集める。
近年の主な展覧会にホイットニー美術館(ニューヨーク)、ポンピドゥ・センター(パリ)、ドルトレヒト美術館(ドルトレヒト)、クンストハル美術館(ロッテルダム)、ステデリック・ミュージアム(アムステルダム)、アーマンド・ハマー美術館(ロサンゼルス)など。
日本との関わりも深く、2009年にAITレジデンシープログラム参加を皮切りに、カルバン・クラインとのコラボレーションイベント(2012年)、「セカイがハンテンし、テイク」(川崎市市民ミュージアム、2013年)、茨城県北芸術祭(2016年)、個展「GENEROSITY 寛容さの美学」(十和田市現代美術館、2018年)、「モダン・タイムス・イン・パリ 1925 ― 機械時代のアートとデザイン」(ポーラ美術館、2023-24年)など展示多数。
(faro WORKPLACE筆)

Year
2017
Material
lenticular painting
Size
h120×w90cm

Rafeel Rosendaal "Shadow Object 16 07 03"

レーザーカッターにより幾何学的な幾つかの形にシェーディングを施されたスチールプレートでつくられたこの作品には、最も効率的に素材を切り出す構成を、計算から導き出す工業的なアルゴリズムが用いられています。ローゼンダールは、アルゴリズムに向かって、プレートの種類やサイズ、彼のウェブ作品に登場する特有の図形を投げ込みます。アルゴリズムは、スチールプレートの範囲に与えられた図形を計算にもとづいた最も無駄がなく効率的であるとしたコンポジションとして切り出していきます。
厳密な計算と装置によって切り出されたシェーディングが、まるで光と影もプログラムするかのように、自然法則をも内側に取り込むように静かに佇んでいることが分かります。ジャッドの『Specific Objects』を引用したようなタイトルからも推察されるように、アメリカ美術のなかで育まれたハードコンセプチュアルの地平が、現代の新たな「実感」として再び展開し始めているのかもしれません。

(個展 ”Convenient” 2017 TSCAより)

Year
2016
Material
steel
Size
h50×w50cm

Email

Year
2009
Material
ink on paper
Size
h37.6×w47.1cm (framed)